ロネータ

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フルネーム
柘榴小路のアニーローズ
年齢
19
性別
種族
人間
若草の緑
金の巻毛
職業
神官
戦い方
鞭と体術、祈祷
 裏通り育ち、粗暴なごろつきだった娘が出会ったのは、「騎士」を名乗る奇妙な老人であった。彼にぶちのめされ、賭けにも負けた娘は対価として一年間神官見習いとして自然神に仕える羽目になる。
 瞑想と奉仕の日々は退屈なはずだった。神など信じぬはずだった。しかし周囲の穏やかで規律正しい空気と「騎士」――神殿の高位神官だった――の様々な言葉が娘の絶望し自暴自棄になっていた心を、開かせていった。

 娘には意外な才能があった。植物は彼女の指先に従うかのように豊かに実っていた。園芸の才があったのだ。

 一年後、娘は神官となることを決意。「騎士」改め「師匠」の下、神殿付きの薬草園での暮らしを始めた――。

 緩やかに過ぎる四季の中、ある日届いた手紙のせいで、異世界に飛ぶ羽目になった娘。
 行き着いた空に浮かぶ庭園の中で、せっせと庭仕事に精を出していた。しかし、神や竜といった定命の想像と力を越えた者たちに出会い、一つの思いが浮かぶ。

 彼らに敵うだけの力が欲しい。

 届かぬ星の光に手を伸ばすように。前に向かってがむしゃらに走る娘は届かぬ光を手にするのか。
 足元の影に飲まれ、闇に沈んだ暗い太陽を目にするのか。
 それとも、己が己なりのやり方で光を放てることに気づくのか。

 まだ、始まったばかり。



 口調はまだまだ粗雑だが、陽気で人懐っこく世話焼き。しかしその性質は周囲の神官達から学んだもので、実際は脅迫と暴力以外でのコミュニケーションに慣れている最中。なので人の目を気にする。そして自己評価も口に反して低い。

「アタシはキラキラしたもんがあまりにも遠すぎるから、そしてバカだからさ。届くかもしれない気になりたくて、その瞬間だけ平凡な奴であることを忘れて、手を伸ばしちまうタチでさ」

 扱う体術と鞭術は我流の物。喧嘩用の戦い方に毛が生えた程度。
 祈祷は学び始めたばかり。植物を媒介として、奇跡を起こす。
 薬学や薬草の育て方も学び始めたばかりだが、才能があるらしくぐんぐん覚えている。
 料理も地道に勉強中。
 学こそないが、与えられれば砂に水をそそいだように必死に吸収していく。

「『緑の親父』、実りの主、あんたの恵みに感謝します。世界が実り多く、生命の循環が保たれていますように。あんたの恵みで腹をすかした奴が救われますように。時に荒ぶるあんたの力で、よどんだ空気が清らかになりますように」

 仕える神は自然神「数多の緑の父」(彼女は「緑の親父」と呼んでいる)。荒ぶる自然をあらわした神であったが、長い年月を経て自然と実りの神の側面が強くなっていった。彼女がいた神殿も実りを与える側面を祭っている所であった。

「ちなみにアタシのとこの『親父様』は優しい神ではないぜ。この世の自然そのものだったが、やがて森や草木に限定して、実りを司る神として呼ばれるようになった。アタシらが使えているのは緑と実りの側面で、本質は荒々しく激しいお方だ。神官たちの中には都市を草木に飲みこまませようとした奴らもいるからな……昔々の話だが」
 
住処:薬草の匂いがする天幕
ついったー:@robatani
ソラニワ:Eno.109