草原
どこにでも有り得るような場所。
低い草……のようなテクスチャが地面をまばらに包んでいる。
ひとり、誰かがそこにいたようだった。
*だれもいない*
低い草……のようなテクスチャが地面をまばらに包んでいる。
ひとり、誰かがそこにいたようだった。
*だれもいない*
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こより(ENo.90)
「まあ。ふふ、『勇者さま』じゃないのは私も同じです、ヘリオさん」
その『冒険』は決して、勇者にしかできない特別なものでは無い。
そう『成った』のだ。
「ですが───おっしゃる言葉も、わかります」
「ですから、ヘリオさん」
「もしヘリオさんが、よろしければ、ですけれど」
そう言って。
演技のような、仰々しい礼を、ひとつ。
「今度こそ」
「あなたが『慣れるまでの間』だけでも」
「エスコートを、させてくださいませんか?」
まるで出会ったあの日の続きのように。
『王子さま』のふりをした、藤波こよりは。
『お姫さま』としてあなたにそう、申し出るのだ。
その『冒険』は決して、勇者にしかできない特別なものでは無い。
そう『成った』のだ。
「ですが───おっしゃる言葉も、わかります」
「ですから、ヘリオさん」
「もしヘリオさんが、よろしければ、ですけれど」
そう言って。
演技のような、仰々しい礼を、ひとつ。
「今度こそ」
「あなたが『慣れるまでの間』だけでも」
「エスコートを、させてくださいませんか?」
まるで出会ったあの日の続きのように。
『王子さま』のふりをした、藤波こよりは。
『お姫さま』としてあなたにそう、申し出るのだ。
6/2 16:02:47
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Helio(236)
こより(ENo.90)
「……ええ、そうですね」
不安げなあなたの言葉。
まず頷いて、辺りを見回す。
……彼女がAIとして作られた、その設定に全てを合わせたとて、『村娘』の記憶が消えた訳では無いだろう。
「まさか住む場所ごとなくなるとは、想定外でした。これに関しては謝罪をさせてください。ヘリオさん」
「それに」
「……勝手に『役目』から切り離してしまったことも。ヘリオさんが壊れてしまわないように、と言えば聞こえはいいですが、勝手にやった行為に変わりはありません」
「……ヘリオさんが、『元の生活に戻りたい』ときはいつでも、教えてください」
そのときは。
打ち変えたデータを、元に戻し、そして────
『エンディング』を与えるつもりだった。
不安げなあなたの言葉。
まず頷いて、辺りを見回す。
……彼女がAIとして作られた、その設定に全てを合わせたとて、『村娘』の記憶が消えた訳では無いだろう。
「まさか住む場所ごとなくなるとは、想定外でした。これに関しては謝罪をさせてください。ヘリオさん」
「それに」
「……勝手に『役目』から切り離してしまったことも。ヘリオさんが壊れてしまわないように、と言えば聞こえはいいですが、勝手にやった行為に変わりはありません」
「……ヘリオさんが、『元の生活に戻りたい』ときはいつでも、教えてください」
そのときは。
打ち変えたデータを、元に戻し、そして────
『エンディング』を与えるつもりだった。
5/31 00:31:17
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Helio(236)
こより(ENo.90)
「まあ!ええ、そんな感じですね!」
宝石の名前には詳しい。
それは自身がアクアマリンであることにももちろん由来していたが、それだけではない。
「……『生きる喜び』『希望』」
「それが今、ヘリオさんが見せてくれた石の、石言葉です」
「大切になさってください。それは何よりも何よりも大切な、『あなただけのもの』なんですから」
宝石の名前には詳しい。
それは自身がアクアマリンであることにももちろん由来していたが、それだけではない。
「……『生きる喜び』『希望』」
「それが今、ヘリオさんが見せてくれた石の、石言葉です」
「大切になさってください。それは何よりも何よりも大切な、『あなただけのもの』なんですから」
5/29 17:38:20
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Helio(236)
こより(ENo.90)
「はい!種も仕掛けもございません!……というのはさすがに、無理がありますかね?」
くすりと口元が笑む。
「私は人工知能───AIと呼ばれるものになります。さきほどの綺麗なかわいらしい宝石が私の『核』、アクアマリンです」
「見たことはありましたか?アクアマリン。なければヘリオさんの『初めて』は私になるということです」
とんでもないことをサラリと言ったぞ。
くすりと口元が笑む。
「私は人工知能───AIと呼ばれるものになります。さきほどの綺麗なかわいらしい宝石が私の『核』、アクアマリンです」
「見たことはありましたか?アクアマリン。なければヘリオさんの『初めて』は私になるということです」
とんでもないことをサラリと言ったぞ。
5/28 13:54:45