荒野の岩陰【アンジニティ世界】

ワールドスワップが起きてから、数時間が経過した頃のアンジニティ。
その荒廃した世界の片隅に、崩れて重なった岩によって出来た日陰がある。

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> 白大甕 環(869)
植井登志郎(ENo.1250)
「了解了解、でも、なんか変な感じだなー。
こっちがホントの名前なのにさ、環と過ごした時間だと、もう九郎の方が長いかもしれねーもん。」

水原九郎という偽名、教団から与えられた身分。
それにどれだけ救われたことだろう。
九郎という名前は、仕方なく名乗っている偽名だったが、今となっては自分の一部だろう。

「んー、どうすっかな。
けっこーボロボロじゃねーかって思うけど…。」

あなたの声、驚くような声に、頭を掻く。
実際のところ、あなたと出会ってからの時間は殆どこうして過ごしていた。
だから「植井登志郎」という名前とは違って、服装を変えることは、あなたと出会う以前に戻ることになる。
それどころか、あなたに直してもらったスカーフは、宝物だし。

「……なぁ、環。この服さ、どうにか直せたりしねーかな?
神父サマ続けっかどーかは別としてさ、この服はけっこー、気に入ってるし…
…替えの服も、見つけんの大変だろうし、さ。」

「だな、ちょっと休んだら……眠れる場所と飲み水と、探しに行くとすっか。
ははは、野宿はいいけど、せめて屋根くらいは欲しいわな。

ま、どっちにしても、ずっと歩き回ってたんだろ?
ほれ、ちっと休んでから行こうぜ。いっそ、膝枕でもしてやろーか?」
2/7 16:19:00
> 水原九郎(1250)
「もうずっと九朗って呼んでたものね。
また登志郎って呼ばれるのに慣れてくださいね…これからもずっと呼ぶんだから」

その小さなプラスを、心から喜ばしいと思っていた。
偽名を使う事になった時から、呼べなくなった名前を呼べないことが少し寂しかった…ということは、あまり言ってなかったけれど。

「え、じゃぁ…その服、もう着なくなっちゃうってことですか?」

汚れて痛んだ祭服を見て、驚きの声を上げる。

「そっか…こんな場所ですもんね。
もっと動きやすい服装の方が良いかも…でも、神父ももうやめちゃうの?もう、隠す必要が無いですけど…」

何となく、惜しいような気がして問いかける。
それが当たり前での服装で、思い入れも沢山ある服だったから…でも今はそういう場合ではない。
服装は別の物になってしまっても仕方ないだろうな…と、同時に思っていた。

「そうですね…まずは陽が沈む前に、どこかで休める場所を探さないと…
…あ、私は野宿になっても大丈夫ですからね!とりあえず、ゆっくり考えましょう…飲み水はどこかで見つけないとね」

そう言いながら、少しだけ眠気を感じて目を擦る。
2/6 03:53:19
> 白大甕 環(869)
植井登志郎(ENo.1250)
「ケーサツなんかねーだろーし、俺の言い分もここなら通るだろうしよ。
はははは、何か逆に不思議な感じ…九郎に慣れすぎっちまったかな。」

ケラケラと、楽しげに笑って見せる。
偽名を名乗らなくてもいい。プラスがあるとすれば、ただそれだけ。
そんな小さな小さなプラスを、大袈裟に笑う。

「あぁ、もちろん。
神父の真似事も、こっちじゃ必要ねーかな。」

そう言いつつ両腕を広げて見せた、あなたを捜し歩いて随分と汚れた祭服。
最初はどこかぎこちなかったそれが、いつの間にか、当たり前の服装になっていた。

「とりあえず食べ物とかさ、寝るとことかどーにかしねーとなー。
でもま、焦ったってしゃーねーや。」

それより今は、こうして、あなたの温かさを感じていたかった。
成るように成る。それは世界が変わっても同じことだ。
2/3 23:17:51
> 水原九郎(1250)
「あ、そっか…もう外で名前を呼んでも、捕まっちゃう心配は無いんですね。
 じゃぁ、前みたいに登志郎って呼んでも…登志郎…」

偽名を名乗らなくても良いという事実に、目を丸くする。
そして、2人で居る時以外にはこの一年で呼んでいない名前を、確かめるように口にした。

「…じゃぁ、前みたいに登志郎って呼びます。良い、ですよね?
 何だか、こうして呼ぶのも凄く懐かしく感じるけど、また呼べるのは嬉しいですね」

そう言って、貴方に笑いかける。
その笑顔は確かに、世界が変わっても変わることは無かった。

「えぇ、良いですよ。…今のところは、どうすれば良いのか考えがある訳ではないですし。
 しばらく休んでからでも良いですよね」
2/3 03:14:43
> 白大甕 環(869)
水原九郎(ENo.1250)
「ま、植井登志郎って殺人犯も匿っちまうよーな連中だかんな。」

手のひらの温かさを感じながら、九郎は笑う。
この場所に飛ばされる以前から、逞しい人々だと、そう思っていた。
…そういえば、ここではもう偽名を名乗る必要もないのかもしれない。

「……もう、九郎じゃなくてもいいかもしれねーぜ。
俺もなんか、九郎って名前に逆に慣れっちまってんだけどさ。」

変わってしまった世界、空。
失ったものの大きさに対して、得たものはあまりにも少ない。

ただ、一番大事なものは、失わずに済んだ。

「……これからどーすっか、悩むところだけどさ。
もうちょっと、こうしててもいいかな。」
1/30 11:40:53
> 水原九郎(1250)
「それは…本当にたくましいですね」

貴方の隣に座って、繋いだ手の上に自分の手を重ねる。

「…何時もと変わらないままで居るのって、思った以上に大変でした。
 教会の人達は本当にしっかりしてるなぁ…私も見習わないと」

貴方の視線につられて、同じ空を見上げた。
どこがどう違うのかは説明できないけれど、何時も見上げていた空とはどこか違うような気がする。それが、少しだけ寂しく感じた。
でも今は…

「私も今は、他には何も要りません。
 九朗、本当に無事で居てくれて良かった…こうしてまた一緒に過ごせるって、幸せです」

そう言って、身体を寄せた貴方にこちらからも頭を預けるように寄りかかる。
1/29 04:49:25
> 白大甕 環(869)
水原九郎(ENo.1250)
「そうすっか…急ぐこともねーし、さ。」

岩陰に転がる岩に腰を下ろす。
抱き合ったままというわけにはいかないけれど、手と手は決して離さないまま。

「受け入れる、かぁ……そうだよな…
…ほれ、教団の連中は相っ変わらず“手を差し伸べよ”だとか、案外と逞しいモンだし、さ。」

苦笑交じりにそう言ってから、空を見上げる。
真っ先に飛び出してきてしまったから、彼らが何をしているかは分からない。
もしかしたら、臨時の避難所でも作っているだろうか。
……ひと段落したら、戻ってみるのもいいかもしれない。

「……ったく、もう。」

気持ちが顔に出たのを、見透かされてしまったらしい。
そう気づいた九郎はさらに少しだけ、気恥ずかしそうな表情になって…

「…誰も聞いてねーし、いいか。
ホントのこと言っただけだし、よ。」

…そう呟いてから、あなたに身体を寄せた。
九郎にしては珍しく、どこか甘えるように。
1/24 22:37:08
> 水原九郎(1250)
「…もうしばらく、でも良いですよ。少し座って話しましょうか」

目元を拭いながら貴方の冗談に笑って、岩場の影に誘う。
ようやく得られた安らぎの時を、もう少し長く過ごしたい気持ちは同じだった。
座ると言っても腰かけられる何かがある訳でもなく、あるとしたら手頃な岩に座るしかないけれど…荒野を吹き抜ける風くらいなら凌ぐことは出来るだろう。

「………そうですか…そうですね。
 今はこの状況を受け入れられるように、冷静にならないとね」

全員では無い、と言う言葉にシュンとした表情を浮かべて視線を逸らす。
まだ記憶を取り戻して間もない事もあって、気持ちの整理が出来てるとは言えない。でも今は、深く考えてもどうすることも出来ないのも事実。
一度目を閉じてから改めて貴方の笑みを見て、環も頷く。

「こうして会えただけでも、良いことで……ふふ、九朗?どうしたの?」

そして目ざとく貴方の変化に気が付いた環は、可笑しいというより嬉しそうに笑った。
1/24 12:53:00
> 白大甕 環(869)
水原九郎(ENo.1250)
「…もう少しか、そりゃちょっと残念だな。」

なんて冗談交じりに行って、笑う。
けれど変わらず、その腕はあなたを包み込んだまま。
背に腕が回されれば、すこしだけこちらも力を緩めて…包み込むのではなく、2人で寄り添うように。

「……そうだな、まぁ、全員じゃねーみてーだけどよ。
でもそれはどこも同じだし、仕方ねぇさ。」

多くのことが、がらりと変わってしまった。
けれど、それは九郎だけのことではなく、あなたにとっても、ここに飛ばされたすべての住人にとって同じ事だろう。
だから、あなたの表情を見て、九郎は柔らかく笑む。

「環が居てくれてさ、こうして無事に会えたんだ。
それだけで、俺は他に、なーんもいらねーよ。」

言ってから、その台詞がちょっと気恥ずかしかったのか、ちょっとだけ耳が紅かった。
1/23 22:51:44
> 水原九郎(1250)
貴方の言葉に、泣いたまま小さく笑みを浮かべる。

「……ふふっ…確かに、そうですね…
 もう大丈夫、だけど……もう少しだけ…お願いします…」

貴方に抱きしめられている安堵感に加えて、こちらでも変わらないいつも通りのやり取りに気分が落ち着いてくる。
次第に動くようになってきた腕をゆっくりとまた貴方の背中に回して、服の裾を掴むように緩く抱きしめた。そのまましばらく貴方に寄り添っていると、涙も次第に納まってきて貴方の言葉を反芻する余裕が出来てくる。
だから、つい口が滑ってしまった。

「……こちらに来た人達、という事は…ティーナさん達、教会の人達もこちらに来てるんですか?
 …あっ…その……ごめんなさい。大丈夫ですか…?」

口に出してから、この話題はダメだったのではという事に気が付く。
この世界に来てから『思い出した』記憶の中で、共通の恩人とも言える少女の話をしたことを思い出し…申し訳なさと、心配がどちらも滲む目で貴方の顔を見上げる。
1/23 22:02:52
> 白大甕 環(869)
水原九郎(ENo.1250)
「ずっと一人、だったんだな……
……こっち来た連中も、環のことは見てねぇって言ってたから、よ。」

もっと早く見つけてあげたかったという気持ちと、何より、こうして出会えて良かったという気持ち。
涙を流すあなたを、九郎はしっかりと抱き締めたまま。

「いいっていいって。ほれ、近くには誰もいねーし。
……環が泣いててくれりゃ、ずっとこうしてられるし?」

言葉は冗談半分、けれどずっとこうしていたい、という気持ちは本心だった。
あなたの体温を感じて、声を聞いて、それだけで不安は解けていくし…酷い世界に飛ばされたとしても、それでもあなたと居られるのは幸福だった。
1/23 02:17:16
> 水原九郎(1250)
「っ……本当に、良かったです…
 信じてたけど……やっぱり本当は…不安で…」

貴方の姿を見るまで心の片隅に追いやっていた感情が、ようやく戻ってくる。
再会出来ると信じていたけれど、それは強がりだった。
1人で彷徨っていた間につのった不安や焦燥が安堵や喜びに変わって、酷い顔になっていると分かっていても涙が止められない。

「……せっかく会えたのに…泣いてちゃ、ダメですね…
九朗は落ち着いてるのに…私がこんなんじゃ…ごめんね、九朗……もう少ししたら、落ち着くから…」

髪を撫でてくれる手の感触に甘えて、貴方の胸に額を当てながら気持ちを落ち着けようと深く息を吸う。
貴方も長く息を吐いていたからきっと不安だったのだと思う。でも、何時もと変わらない様子で笑ってくれている。
そんな貴方の前で、泣いてばかりはいられない。
1/23 00:55:57
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